「最近どうも便秘がちだな」と思っているうちに、生理が始まって今度は下痢に……。生理前後にこんなお腹の不調を感じることはありませんか？普段の生活でできる対策はあるのでしょうか。今回は、「生理前後の便秘や下痢に関する悩み」への対処法を、浜松町大門レディースクリニックの院長・池田貴子先生に教えてもらいました。
浜松町大門レディースクリニック
院長 池田貴子先生
東邦大学医学部卒業後、東京医療センター外科系研修医を経て、東京大学医学部産婦人科に入局。その後、複数の産科・婦人科クリニックにて院長として勤務し、浜松町大門レディースクリニックを開院。
生理サイクルと関係する女性の便秘・下痢
生理前に便秘がちになるのは、排卵から生理前にかけて分泌される黄体ホルモンの影響によるもの。黄体ホルモンには妊娠を継続させるため、子宮収縮を抑える働きがあります。こうした働きが大腸にまで作用し、大腸の働きが鈍くなり、便秘がちになると考えられます。
一方で生理が始まると下痢になりやすいのは、不要になった子宮内膜を排出するために子宮を収縮させるプロスタグランジンという物質の影響。このプロスタグランジンが腸にも作用し、腸の動きが活発になりすぎて、下痢になるのです。
女性に多い便秘は生活習慣やストレスが原因
そもそも女性は便秘がちの人が多いのも事実です。これは、男性に比べてお腹まわりの脂肪が多いため代謝が低下し、腸の動きが低下する傾向があるからです。また、水分不足、睡眠不足、ストレス、食生活の乱れ、冷えなどの生活習慣も原因となります。
便秘は大腸がんの一因ともいわれているので、2日に1回排便がなかったら対策を考えましょう。お腹がスッキリすれば食欲も湧き、精神的にも元気でいられます。
また、生理前の便秘や下痢がつらい場合は、PMSの可能性も。その場合はピルによる治療効果が期待できるので、気になる場合は婦人科を受診してください。
便秘･下痢解消のためにできること
- 1日1.5L以上の水分をとる
- しっかり休息をとる
- お腹まわりを温める
- 整腸剤を服用する
- 冷たいものを食べない
- ストレスをためこまない
Mart編集部が選んだキーアイテム
池田先生のアドバイスのもと、生理前後の便秘や下痢に関する対策ができるアイテムをまとめました。
■酸化マグネシウム配合でお腹が痛くなりにくい
「便が出ないだけでなく、残便感がある場合も便秘薬でスッキリさせるのがいいですね」（池田先生）。服用してもお腹が痛くなりにくく、自然に近い排便を促す酸化マグネシウム入りのものがおすすめです。癖になりにくいのが嬉しい。
■オリゴ糖とたっぷりの食物繊維。腸のことを考えたグラノーラ
不足しがちな食物繊維、善玉菌の栄養素となるオリゴ糖、さらにスーパー大麦やもち麦などのスーパーフードも加えるなど、腸のことを考えぬいたグラノーラ。いちごなどの果実やココナツ風味に仕上がったシリアル生地で、毎日食べたくなる美味しさです。
腸活グラノーラ 350g ￥550 （日清シスコ）
■水溶性食物繊維でお腹の調子を整える
ごぼうなどに含まれる水溶性食物繊維「イヌリン」が配合されたウーロン茶。「イヌリン」は腸内細菌のエサとなり、腸の動きを活発にします。便通に大切な水分と一緒に繊維質もとれて一石二鳥！
■寝る前にお腹まわりをじんわり温める
おへその下には大きな血管が流れているため、おへそを温めることで、お腹まわりがぽかぽかに。約20分温かさが続き、下腹部をじんわり蒸すように温められます。電子レンジで加熱して直接おへそにのせられるので手軽に使えます。
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取材・文／須賀華子 構成／タカノマイ（Mart編集部）
Mart2019年7月号
私も家族も元気でHAPPY カラダの疑問に答えます より
