美肌を目指してさまざまなスキンケアを試しても、肌荒れやいぼが治らないと悩んでいる方は、からだの内側からもケアすることが大切です。「皮膚は内臓の鏡」というように、インナービューティにも取り組みたいところですね。今回は「皮膚のあれ」や「いぼ」に悩む人の漢方処方に使われる生薬「ヨクイニン」について、効果や選び方、注意点などを解説します。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、清水みゆき先生に教えてもらいました。
「ヨクイニン」とは?
ヨクイニンは、肌荒れやいぼなどの肌トラブルがある人に使われる生薬です。ヨクイニン散、ヨクイニン錠、タブレットなどの剤形があり、ドラッグストアなどで市販もされています。
Amazonでも購入できます
【第3類医薬品】ヨクイニンエキス顆粒クラシエ 45包
【第3類医薬品】山本漢方ハトムギ錠 504錠
ヨクイニンは肌荒れや水いぼ対策におすすめ
こんなときにおすすめ!
ヨクイニンは、次のような用途で用いるのがおすすめです。
- 肌荒れ対策
ヨクイニンには、からだの滞りを改善し水分や老廃物を外に出したり、からだにこもった熱を取り除く働きがあり、肌のターンオーバーを整えます。また、粘膜や皮膚などを正常な状態に保つビタミンB群を多く含みます。 - 子どもの水いぼ対策
ヨクイニンには膿の排出を促す働きもあるため、水いぼの治りをよくするとされています。
なお、ヨクイニンは老人性のいぼ(老人性疣贅(ゆうぜい)、脂漏性(しろうせい)角化症)への効能は認められていません。
「ハトムギ」とはどう違う?
ヨクイニンは、ハトムギの皮を除いた種を乾燥させた生薬成分です。
ハトムギ茶や化粧品に使われるハトムギエキスと、原料となる植物(イネ科ジュズダマ属の植物)は同じですが、ハトムギ茶などは医薬品ではないため、ヨクイニンのように特定の症状に対する効果は証明されていません。
漢方薬とサプリメントを見分ける方法
ヨクイニンを買おうとすると、「ヨクイニン」の他に、「ヨクイニンエキス」「ハトムギエキス」などがあり、どれが漢方薬で、どれがサプリメントなのかわからなくなりがちです。
医薬品の漢方薬には、性状及び品質の適正をはかるために「日本薬局方(にほんやっきょくほう)」という規格基準書があります。日本薬局方では、日本で使われている重要な医薬品の品質や純度、強度の基準が定められています。
「第3類医薬品」には、その基準をクリアしたヨクイニンが使われています。それに対し、ハトムギエキスのサプリのなかには、局方品ではないヨクイニンを使っているものもあります。
「サプリメントではなく医薬品を飲みたい」
「医療費控除やセルフメディケーション税制の対象になる漢方薬が欲しい」
という方は、「第3類医薬品」と表示されているものを選ぶとよいでしょう。例えばAmazonでは、商品名の前に「第3類医薬品」と表示されています。
あるいは、漢方の専門家に相談するのもおすすめです。
「ヨクイニン」の副作用で太るって本当?
「ヨクイニンの副作用で太る」という噂を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、実際にはヨクイニンの副作用で太るということはありません。むしろ、ヨクイニンは尿や老廃物やの排出を促す働きがあるとされているため、むくみ解消やデトックス効果が期待できるものです。
ただし、ヨクイニンを飲んだからといってそれだけで痩せるわけでもありません。どんなダイエットでも、正しい食生活と適度な運動は必要不可欠です。痩せることも意識するなら、「ヨクイニンを飲んでいるから」と安心せず、日常生活も改善していきましょう。
体質に合うかを見極めるのも大切なこと
漢方薬は「医薬品」。漢方薬は体質に合うものを選ぶことが何よりも大切です。
自分に合う漢方薬が知りたいけれど、医師に処方してもらったり、漢方薬局に行くのはハードルが高いという方はスマホで気軽に専門家に相談できるサービスを活用するのも手です。
AIを活用し、漢方のプロが個人に効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」のオンライン個別相談
ヨクイニンでからだの内側から美肌に!
からだの水分代謝をよくして肌のターンオーバーを整える「ヨクイニン」。肌荒れやいぼが気になるという人は、毎日の生活に漢方を取り入れてみてもよいかもしれません。
<この記事を書いた人>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 清水みゆき
漢方薬・生薬認定薬剤師 JAMHA認定ハーバルセラピスト
製薬企業の研究所勤務を経て、漢方調剤薬局に8年間勤務。漢方薬の服薬指導、食事や養生法での健康づくりのサポート、ハーブティーやアロマの相談販売に従事。現在も漢方調剤薬局で薬剤師として働きながら、「ママのためのやさしい漢方」のサイト運営や漢方やハーブの通信講座やセミナー講師としても活動中です。