突然ふくらはぎや足の指先がつることはありませんか?夜中寝ているときに突然起こってしまうことも。年々つりやすくなっている気がするのはなぜでしょうか?その原因と解決方法について聞きました。
教えてくれた専門医
京命クリニック 院長 三ツ口由紀子先生
岐阜大学医学部卒業後、名古屋掖済会病院、岐阜東濃病院、東海病院の医長を経て現職。2019年からは名古屋市立大学整形外科の臨床講師も務める。日本整形外科学会専門医。
「足がつる」ってどういうこと? その原因は?
一般的につりやすいのはふくらはぎや足の指ですが、足の裏や手の指、首、背中、お腹などでも起こります。
「つる」というのは、筋肉量以上の運動負荷や、冷えて血管が収縮して筋肉内の血流量が減ることによる血行不良、脱水による電解質バランスが崩れる、などが原因で筋けいれんが起きている状態。そのため、血流が胎児にまわって末端に行きにくくなる妊婦や、筋肉量の少ない女性、筋肉量が少なく水分不足になりやすい高齢者ほど足がつりやすい傾向があります。
睡眠中に足がつりやすいのは、睡眠中の脱水のほか、仰向けに寝てつま先が下がることで、収縮したアキレス鍵が筋痙攣の引き金を引くためです。
たまにつる程度なら問題ありませんが、毎日または日に何度もなど頻繁につる場合は、電解質異常の恐れもあるので、整形外科を受診してください。
足がつるおもな原因
- 冷え
- 脱水
- 筋肉への過大な負荷
足をつりにくくするためにできること
- 筋肉量に合った適度な運動をする
- 就寝前のアルコールやカフェイン摂取を控える
- 夜寝る前に水分をとる
- マグネシウム(ナッツ類、納豆、豆腐などの豆類、魚介、海藻)や、カルシウム(牛乳、小魚など)をとる
- クエン酸を含む梅やレモンなどのかんきつ類をとる
- 足の緊張を高めるヒールを避け、スニーカーをはく
- 寝る前に足のマッサージをし、筋肉をほぐす
- 血行を促すために足を温めて寝る
足がつってしまったときの対処法
収縮した筋肉を伸ばすと収まるため、引っ張って伸ばすことが対処法の基本。足の指の場合はどこの筋肉がつったかによりますが、ふくらはぎの場合は、足のつま先を持って手前に向けて引っ張るようにします。
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※掲載中の情報はMart誌面掲載時のものです。
取材・文/須賀華子 構成/Mart編集部
2021年1月号
カラダの疑問に答えます「足がつりやすいのはなぜ?」より