顔にできたシミが気になります!消すことはできますか?【高尾美穂先生のお悩み処方箋】

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産婦人科医の高尾美穂先生が、相談者の心に寄り添って優しくアドバイス!Mart読者世代である30~40代女性の人には言いづらいお悩みにお答えいただきます。第17回はシミについてのお悩みです!

悩める女性の心を軽くしてくれる!高尾美穂先生


産婦人科専門医・婦人科スポーツドクター・ ヨガ講師。産婦人科専門医として、女性の健 康をサポートしつつ、それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った治療を提案する一方、スポーツドクターとして、女性のプロアスリートへのサポートも行っています。雑誌やテレビほかさまざまなメディアでも、女性のお悩みへの優しいアドバイスが好評です。

【相談テーマ】顔にできたシミを何とかしたいです!

読者プロフィール画像
相談者:Wさん(42歳)
東京都在住
会社員

30〜40代はエストロゲンの減少でシミは増えやすい年代

Wさん:去年から顔に薄いですが色素沈着ができてしまいました。マスクが当たる位置なので、こすれてできたものなのかな?と思っていたのですが、どんどん濃くなってきて大きさも1cmほどになってしまって……。

高尾先生:マスクをしていると、当たる部分が気になりますよね。でももしマスクが原因だと、マスクが当たるほかの部分にもできることが考えられるので、これはマスクと直接の関係はないと思われます。

Wさん:なるほど。マスクとは関係ないシミなんですね。

高尾先生:女性は30代半ばから40代にかけて、シミが増え始めます。いくつか理由がありますが、その一つは、エストロゲンの分泌量が減少していくから。エストロゲンは肌内部のコラーゲンの生成を促します。これが減ってしまうと、肌の保水力が落ちたり、肌のターンオーバー(生まれ変わり)が乱れたりして、きれいな肌状態を保つことが難しくなっていきます。

Wさん:母に肝斑ではないのかと言われたのですが、その可能性はありますか?

高尾先生: 肝斑とはシミの一種です。シミとは年齢とともに肌のターンオーバーの周期が長くなり、蓄積されたメラニンが排出されずに色素沈着したものです。肝斑は女性ホルモンが原因と言われていますが、専門家でないと肝斑かどうかの見極めは難しいと思います。

Wさん:病院で相談すると診断してもらえるのでしょうか?

高尾先生:してもらえると思います。肝斑という病名がつくと、治療する際に医療保険の適用を受けることができます。シミの治療は保険適用外です。

Wさん:どれくらいを目安に相談に行くのがおすすめですか?

高尾先生:春〜秋にかけての紫外線の強い時期は、日焼けにより肌の色が濃くなるためシミも濃くなります。紫外線の弱い冬になってもシミが濃く残るようであれば、相談に行ってもいいと思います。

Wさん:ちなみに私は若い頃にスポーツをしていたので、かなり日焼けをしていました。それも関係ありますか?

高尾先生:あると思いますよ。エストロゲンの減少により、蓄積されたメラニンが今までのように排出されなくなっているのかもしれません。

Wさん:そうなんですね!それはびっくりです。

高尾先生:シミが気になるようであれば、その部分は特に日焼け対策をしっかりしておきましょう。ただし、紫外線は浴びることでビタミンDを生成できるというメリットもあります。ビタミンDは、免疫力アップや骨の健康などに欠かせない栄養素。紫外線を完全にシャットアウトしすぎるのもよくないので、適度に浴びましょう。

高尾美穂先生

気になるシミをきれいにしたいなら、レーザー治療がおすすめ!

Wさん:具体的にどのような治療方法があるのでしょうか?

高尾先生:ビタミンCやEを内服するほか、保険適用外ですがトラネキサム酸をとる方法もあります。ただし、しっかり取るためにはレーザー治療がおすすめです。実は私も先日、レーザー治療を受けてきたんですよ。

Wさん:高尾先生もシミがあったんですね。今、見てみると全然わかりませんね。

高尾先生:1cmと5mmのシミをレーザー治療しました。氷で冷やしてから治療したからか、レーザーを当てているときもほぼ痛みはありませんでした。2週間のダウンタイムがありますが、その間も肌色のシールを貼って過ごしていたらほぼ目立ちませんでしたよ。

Wさん:かなりきれいに消えていますね。

高尾先生:私はレーザーの効果がありましたが、人によってはしばらくすると浮き出てくることもあるようです。治療後にハイドロキノンというシミ予防のクリームを塗る場合もありますが、私は必要ないと言われました。もし肝斑なら保険適用で料金も低価格になるので、一度試してみるのもいいかもしれません。

Wさん:実際に体験談を聞くと参考になります。

高尾先生:シミが消えることは、単に肌がきれいになるということだけでなく、女性にとって自信につながると思います。生活に支障がない時期などを選んで、試してみるのもいいですね。

【高尾先生のお悩み処方箋】シミ改善のためにできること

1. エストロゲンの減少が肌状態やシミと関係あることを知っておく
2. シミが気になる部分はしっかりとUV対策をする
3. 冬になっても濃いシミがあれば専門医に相談を
4. レーザー治療を検討する

【相談を終えて】適度に日を浴びながら紫外線対策をしていきます!

日焼け止め

いろいろと教えていただきありがとうございました。今後は日焼け対策をしながら少しずつ様子を見て、改善されないようでしたらアドバイス通り、レーザー治療も考えたいと思います。

これから年齢を重ねていくにあたり免疫力、骨の健康も大事なので、紫外線と上手に付き合っていけるようにしたいです。

撮影/中林 香 取材・文/酒井明子

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