【佐藤アツヒロさんが本音で語る】「自分プロデュース」の方法

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毎月、佐藤アツヒロさんが読者の悩みにこたえてくださる連載「こじらせ男子でなにが悪い」。様々な経験を経てきたからこその、アツヒロさんの人間力をもって、回答いただいています。

◆今回のテーマ

「自分プロデュース」はどうしたらいいの?

◆アツヒロさんの回答

”「好き」を感じろ!!”

こだわりや「好き」を
大事にしてますか?

世間でよく言う「オタク」について、俺はすごく素敵だと思う。世の中的には、いろいろな意味で使われているけれど、興味があるものに夢中で、なにより楽しそうにしているのがとてもうらやましかった。究極の「好き」の追求があって、こだわりがある。流行とか、誰かから見てカッコいいとかださいとか、そんなのどうでも良くて、自分なりの楽しみ方で「好き」を突き詰めているなら、それが一番だと思う。俺自身、エンターテインメントの世界に生きてきて、たとえそれが仕事であっても「自分自身が楽しまないとなにも生まれないし、お客さんも楽しめない」というのが信条。常に「自分がどう思うか」を、まず考える。もちろん、こうしたほうがいいんじゃないか、という俯瞰(ふかん)の目線も必要だけど、自分のこだわりも大事にしたいよね。そして、これって結局「バランスのとり方」なんだと思う。

__バランスのとり方? 理想と自分の気持ちのこと?

自分だけの世界と、誰かが交わる世界の両方があるから、そのバランスをとって生きなくちゃいけない現実。だから、自分プロデュースがちゃんとできている人って、まず、相手を選んで「自分の好き」を言っていると思う。好きな気持ちって、強すぎると、ときにわがままだと思われてしまうこともあるから……。だから、わかってくれる人にだけ、言う。例えば、こんなことってみんなはない? 話し込んで、「あ、この人、案外こういうのが好きなんだな」と、本人が言ってない“好き”の世界観に気付くことがある。あえて言わないのも、選択肢のひとつ。あくまでも、自分の世界なんだから……。もし否定されても、自分の「好き」に自信を持つべきだと思う。そして、逆に、人の「好き」を否定したりしない。好きな気持ちはそれぞれだし、その人にとって価値のあること。ただ、いろいろな価値観がある現実の世界では、バランスをとったり、あえて秘密でもいいと思う。

相手を尊重できる
自由な「コミュニティ」の大切さ

コロナで自粛をしていたとき、誰かとつながるコミュニティの大切さを知った。だからこそ、好きなものがあって、それでつながるのはとてもいいことだなと思った。SNSやインターネットの時代でもあるし、自然と「好き」で引き合う人間欲がそこにあるだろうから。ただ、ここでも言いたいのは、その「好きな気持ち」は、それぞれの自由だということ。周りのネガティブな意見に合わせて、嫌な人のふりをしてしまうかもしれないけれど、どっちかを守れば、必ずもう一方を傷つけることになる。だから、そこは自分の意見を伝えたほうがいい。黙っておくのも、ひとつの手だよね。

そして、そういう偽りとか誹謗中傷に溢れた世界も、悲しいけれど現実にあったりする。でも、ひとりひとりが、それぞれの気持ちを思いあっていければ変わっていくんじゃないかな……。この先、「自分の好き」を追求しよう、という流れになっていくと思う。そして、そういうときこそ、自然に広がっていくコミュニティが存在する。そのときに大切なのが、自分は自分でいいんだよと言い合える、仲間の存在。いい人の周りには、やはりいい人がいるから……。まずは、自分がそう考えることから始めてみて。

でも、自分がわからないとき……
空を見上げてみて

空って、なにも対象物がないから、実際見ているのは、自分自身の心かもしれないんだよね。見上げることで、自分の存在を実感して、ほっとできる。だから、「ああ、きれいだな」と思うことが、自分の「好き」や心の動きを感じることにもなる。空でも、海でも、山でも……圧倒的に大きなものに触れると、今の自分を感じて向き合える気がする。そういう、心で感じることで、周りが見えたり、本来の自分に戻れるんだと思う。

◆佐藤アツヒロさん

神奈川県出身。1987年、光GENJIとしてデビュー。2000年「ララバイまたは百年の子守唄」で初舞台を踏み、以降、数々の作品に出演し舞台俳優として高い評価を得る。音楽劇「プラネタリウムのふたご」の開催決定。2月6日(土)~7日(日)プレビュー公演(東京芸術劇場 プレイハウス)、2月13日(土)~14日(日)大阪公演(梅田芸術劇場 メインホール)、2月19日(金)~23日(火)東京公演(日本青年館ホール)にて。チケットぴあ、イープラス、ローソンチケットにて販売中。

Mart2020年12月号
連載「こじらせ男子でなにが悪い」より

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