【佐藤アツヒロさんが本音で語る】「鈍感力」を持つということ

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毎月、佐藤アツヒロさんが読者の悩みにこたえてくださる連載「こじらせ男子でなにが悪い」。様々な経験を経てきたからこその、アツヒロさんの人間力をもって、回答いただいています。

◆今回のテーマ

「鈍感力を持ちたい」

◆アツヒロさんの回答◆

”本当の気持ちをスルーする必要なんてない
いらないものは「無視」していいと思う”

例えば、見たり聞いたりしてしまって、それを受け止めることで、自分にちょっとしたストレスがかかるなら、なかったことにしちゃえばいい。生きていく上で、余計な情報、余計なできごとってあるから……。完全シャットアウトな「無視」を俺はしている。

__えっ、無視?これまた強烈な言葉ですが……

今回のテーマの「鈍感力」って、心が穏やかなままでいられるように、取り入れたい情報やできごとを、自分で選ぶことを意味するのかな。要は、必要じゃないことをスルーすること、と俺は考えているでも、「スルー」って、まだちょっと、ネガティブな残像がある気がして……。だから、すぱっとその部分だけ、無かったことにするのが、俺的な「無視」。

もちろん、最初からできたわけじゃなくて、正直言うと、ある程度大人になってから、自分もできるようになった。そもそも人見知りで、小さい頃から、自分が何か言う前に「こう思ってるんじゃない?これがいいよね」と、周りに勝手に推測されてしまうことが多くて。それに、こういう職業だから、イメージだけで判断されることが多く、自分の気持ちを大事にしたい、自分らしさを大切にしたいと思ってきた。高校のときに、詩を書き始めたのもその影響かも。今、俺はなにを思っているんだろう、と気持ちを確かめたかったのかもね。「自分にとって今必要じゃない情報が、多すぎる」と気づいた。だから、情報を取捨選択すればいい。無視って、そうだ、要は「感情を守る」ということかもしれないね。

__感情を守る? それは、わがままとどう違うんですか?

自分の気持ちに向き合って、よし、これは取り入れよう、これはいらない(=無視しよう)、と自分で選びとることだね。もちろん、ひとりで答えを出せないときは、他人に話を聞いたりするのがすごく大事だと思うし、それは心が欲しているから、自由にやればいい。でも、そうやって、自分の気持ちをコントロールしている途中で妨害してくる変なものは、必要ないから無視しちゃっていい。究極、自分にとってプラスじゃないなら、世の中を無視するのだっていいと思うよ。

__これまた急展開。世の中を無視!強烈な言葉ですが……

みんなが右って言うから、わたしも右、じゃないでしょう? みんなって誰だよ。まずは、自分がどうしたいか、自分がどう思うか、それに向き合っての選択でしょ? そもそも、生きるということに関して、思いやりとか優しさ、愛情は、いつの時代、どんな状況だって変わらないと思うし、それがベースにあれば十分。だから、そこを大切にさえすれば、それぞれの気持ちを優先して、世の中に溢れる「自分にとって必要じゃないこと」は無視していいんだよ。

向き合うってことは
「自分に言い聞かせる」ことだから

自分自身に向き合おうって俺はよく言うけれど、それって、弱い自分を知っているし、逃げないで進みたいと思う。だから、やり続けることが大事。無理かもしれない、と思ったとき、少しでも成功する可能性が見えるなら、そこで頑張る。自分に言い聞かせたり、負けたくない、あきらめたくないと思うことで、可能性はどんどん広がっていくと思うよ。そして、自分自身がどう思っているか、どうしたいのか、はっきりしていくんじゃないかな。

__でも、気を遣いすぎて他人に振り回されることってないですか?

あるにはあるけど、細かく言うと、他人と知り合いと友達、それだけでも変わってくるよね。誰になにを言われたかの内容より、言った人との関係性次第。大事な人から言われたことは、ちゃんと受け止めたいと思うけど、よくわからない相手から言われたことは、気にしない。自分自身にとって、いろんな不必要なことが本当にたくさんある。だから、自分と向き合うことで、自分の気持ちを大切にしていけたらいいよね。

Mart1月号
連載「こじらせ男子でなにが悪い」より

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