ヤフーとLINEが経営統合 新しいサービスが生まれる?

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ヤフーとLINEが経営統合を発表し、GAFAに対抗できる大企業が誕生するかも⁉と 大きな期待が寄せられています。この統合により、どんなことが起きていくのでしょうか? TVでもおなじみの経済アナリスト森永卓郎さんに解説していただいました。

そもそもなぜヤフーとLINEは経営統合するの?

お互いを補完し合い、新しいサービスを生み出すため
ヤフー
サービスの利用者:約5000万人 ユーザー層:PC時代からのシニアユーザーが多い
LINE
アプリ利用者:約8000万人 ユーザー層:スマホが前提で若年層が多い
これらが一緒になることで
メッセージアプリ、EC、決済、金融などのさまざまな機能を持つ「スーパーアプリ」の提供を目指す!

森永さんが考えるヤフーとLINEの経営統合で起きること

●お互いの足りないところを補い合いサービスが充実しそう
●世界の巨大ITグループと対抗できる一大企業になる可能性も


森永卓郎さん
経済アナリスト。日本専売公社(現日本たばこ産業)ほか数々の企業に勤務後、現在は獨協大学教授。 専門分野はマクロ経済、計量経済、労働経済、経済 政策。『がっちりマンデー!!』(TBS)、『情報ライブ ミヤネ屋』(YTV)などにレギュラー出演中。むずかしい経済を明快に解説するわかりやすい語り口に定評がある。

世界の企業と対抗できる日本最大のIT企業に

ヤフーを展開するZホールディングスとLINEが経営統合することになりました。統合が実現すれば、情報サービス分野で楽天を抜き、国内トップに躍り出ることになります。ヤフーとLINEは、スマホ決済やモバイル通信など事業が重なる分野もあるのですが、基本的にはヤフーが検索エンジンで、LINEが無料通信アプリをメインの事業としています。そ のため、経営統合は、お互いの足りないところを補い合う効果が大きく、両社にとってメリットが大きいものになります。しかも統合により、日本で1 億人以上が利用する総合情報サービスが誕生することになるのですから、新会社は、世界の巨大ITグループと対抗していくことも可能になっていくでしょう。
株式市場も、両社の統合を高く評価して、両社の株価を上げました。そう考えると、今回の統合はいいことずくめのように見えるのですが、その一方で心配な点もあります。

経営権の半分が外資のグローバル化が進んだ企業に

ヤフーとLINEが統合した後は、現在のヤフーの親会社であるZホールディングスの完全子会社になる予定です。そして、Zホールディングス自体は、ヤフーの親会社であるソフト バンクと、LINEの親会社であるネイバーがそれぞれ50 %ずつ出資する、新たな持ち株会社の子会社になる予定になっています。
ヤフーの売り上げは、LINEの売り上げよりもはるかに大きいので、通常ならヤフー主導の統合になってもよいはずなのですが、「対等合併」ということになりました。もしかすると、アメリカのウィワークという会社への投資で大きな損失をこうむり、 2019年9月期中間決算で15年ぶりの赤字転落をしたソフトバンクの孫正義取締役会長が統合を焦ったため、このような形になったのかもしれません。
もうひとつの問題は、統合会社の半分を支配するネイバーが韓国企業だということです。このままいくと、日本最大の情報サービス会社の経営権の半分を外国の企業が持つことにな ります。ただ、現在は国境を越えた経済活動が広がる経済のグローバル化 が進んでいるため、もう国籍は関係なくなるかもしれません。

※掲載中の情報はMart誌面掲載時のものです。

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構成/長南真理恵

Mart2020年1月号
最近気になるNEWSな言葉 「ヤフーとLINEが経営統合 新サービスが生まれる?」より

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