「興味はあるけれど難しそう」「以前やってみたけど、うまく活用できなかった」という声も多い「ふるさと納税」。今回はふるさと納税コンサルタント・小野くみさんに制度の基本を教えてもらいました。小野さんが今年注目する返礼品2品もご紹介します。
プロに聞く「ふるさと納税」基本の〝き〞
教えてくれたのは
ふるさと納税コンサルタント 小野くみさん
自治体や事業者への取材と実体験をもとに、ふるさと納税に関する記事の執筆やイベント企画、講演などで活躍。
アメブロ https://ameblo.jp/furusatobanzai93/entrylist.html
ふるさと納税ってどんな制度?
ふるさと納税は納税者が寄附先の自治体と使い道を自分で選べる納税制度です。
地方出身者は、生まれ育った自治体の税金で地元の公立学校に通い、医療費の補助といった恩恵を受けていても、卒業して都会に出て働くと、住民票がある自治体に税を納めることになります。その場合、育ててもらった地元に還元されることなく都会の税収が増えることになります。そのような地域と都市部との税収の地域間格差を埋めることを目的として、2008年から開始されました。
「ふるさと納税」用語解説
控除上限額
寄附金のうち¥2,000を超える部分について、一定の上限までは所得税・住民税から全額控除が受けられます。この一定の上限額のことを指し、各ふるさと納税サイトのシミュレーションなどで確認することができます。
寄附金控除
納税者が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに特定寄附金を支払った場合、所得控除を受けられる制度を寄附金控除といいます。ふるさと納税も寄附金控除に該当します。
ワンストップ特例制度
寄附先が1年間で5自治体までであれば、確定申告を行わなくても簡単な手続きで寄附金控除を受けられる制度のこと。この場合、所得税からではなく、全額が翌年度分の住民税から控除されます。
返礼品
自治体に寄附をすると、その自治体の特産品や名産品、なかには旅行券など、さまざまな特典が寄附のお礼として贈られます。
災害支援寄附
特定の自治体に寄附をするなかで、被災地支援やコロナ禍での損害などの復興につながる支援ができる仕組みのこと。
寄附金受領証明書
ふるさと納税の寄附をしたことを自治体が証明する書類のこと。確定申告の際に必要となる重要な書類なので、寄附をした自治体が発行し、必ず郵送もしくは返礼品と同封されて届きます。
控除申請方法は「ワンストップ特例制度」と「確定申告」の2通り
もともとふるさと納税は、必ず確定申告が必要な制度だったため利用者の伸び悩みがありましたが、2015年に設けられた「ワンストップ特例制度」により、条件を満たせば確定申告が不要に。
現在は確定申告とワンストップ特例制度の2通りの控除申請方法があります。
ワンストップ特例を利用した申請は寄附をした自治体に必要書類を郵送すれば確定申告が不要となりますが、控除の申請には期限があり注意が必要です。
返礼品はさまざまなジャンルから選べる
ふるさと納税の返礼品といえばお米、肉、果物といった食品が一般的によく知られていますが、最近では食品だけでなく、家電や旅行券、体験型に至るまで幅広い種類の返礼品を用意する自治体が増えています。
寄附はふるさと納税の総合サイトから
寄附をするときは、ふるさと納税の各社サイトから自治体と返礼品を選んで申し込めばOK。いつものネットショッピングと同じ感覚で簡単に寄附ができます。ふるさと納税市場の伸びとともに新規参入のふるさと納税サイトも年々増加しています。
ふるさと納税コンサルタント・小野さんが今年注目する返礼品
①【ふるさとチョイス限定】フルーツサンド5個入り
- 愛知県高浜市
- ¥10,000
「見た目も美しく、今SNSでも話題の果物屋さんがつくったというフルーツサンドは今年ならではの返礼品。実はまだ食べたことがないので、ぜひ頂きたいと思っている一品」
②全部真空パック!「おさつポーク」バラエティ3.9㎏セット
- 宮崎県都城市
- ¥20,000
「南九州産のさつまいもを食べて育った3.9㎏もあるブランド豚肉がコンパクトな真空パックに。普段使いしたい豚肉は量が欲しいので、冷凍庫に入りきったときは感動します」
※返礼品の寄附金額は取材時のものです。変動する場合がありますので、詳しくは各社サイトをご確認ください。
撮影/松本拓也〈スタジオ一部〉 取材・文/西村絵津子 編集/小橋健太郎 WEB構成/Mart編集部
2022年1月号
楽しくトクする2大ワザ!Part2・おうちごはんが特別になる!ふるさと納税「美味しい返礼品」リストより