新型コロナウイルスの影響により臨時休校になった学校も多く、自宅で退屈にしている子どもも多いのではないでしょうか? でも、そんなときにYouTubeやタブレットのゲームアプリばかりでは心配…。
そこでゆとりのあるこの時間に、ぜひ読んでほしい本、紙の本のよさにも気づかせてくれる物語を「こどもの本屋 てんしん書房」の店主の中藤 智幹さんに教えてもらいました。今回は小学校低学年におすすめの3冊をお届けします。
低学年向けのおすすめ(1)
「へんてこもりにいこうよ」/たかどの ほうこ作・絵/偕成社
低学年の中でも特に下の年齢の子どもが読みやすい1冊です。主人公は“まるぼ”という、やかんのような形をしたへんてこな生き物。へんてこもりを訪れた、4人の子どもたちとまるぼの交流を描く、ほのぼのストーリーです。
5冊目まで続くシリーズで、子どもたちとまるぼがへんてこもりで過ごす不思議な時間を、どの1冊でも楽しむことができます。絵も多く、柔らかいタッチで描かれたイラストが印象的です。
「へんてこもりとまるぼの世界観は、難しく考えずにシンプルに笑って楽しめます。心が広がる1冊だと思いますよ」(中藤さん)
低学年向けのおすすめ(2)
「カイとティム よるのぼうけん」/石井睦美作、ささめやゆき絵/アリス館
2冊目に紹介するのは本の主人公は、6歳の誕生日を迎えた男の子のカイ。「6歳になったから一人で寝る!」と宣言したものの、実はちょっぴり不安で眠ることができません。そこに現れたのは妖精のティム! 夜が怖くて眠れない子どもの面倒をみてくれる妖精でした。ティムがカイを安心させるために連れて行ってくれるのは、ジュラ紀やゆうれい電車など。夢のような素敵な世界を見ることができます。
一人だと不安で眠ることができない誰にでもありそうな夜の冒険は、わくわくの連続! 読み終わった後に、ほっこりした気持ちになることができます。
「第5章まであり、1章1晩の構成なので親子でもちょっとずつ読めます。絵も素晴らしいですが、文も読みやすいのが特徴。1冊で完結するお話です」(中藤さん)
低学年向けのおすすめ(3)
「ちいさいモモちゃん」/松谷みよ子著/講談社
低学年の中でも、本に読み慣れた子におすすめの1冊。モモちゃんという女の子の成長を見守るシリーズ。全6冊で4冊目からは妹のアカネちゃんが主人公になります。
物語の始まりは、モモちゃんが誕生したところから。1冊目ではモモちゃんがママやパパ、ネコのプー、白ネズミのチュッチュ、「あかちゃんのうち」の先生に囲まれて、幸せに育っていく様子が描かれています。
なにげない日常の中で起こるファンタジーな出来事は、読んだ子どもの心をわくわくさせてくれそうです。
「50年以上前からある、日本児童文学の金字塔と言われるシリーズの一作目です。いま読んでも色あせない面白さ、自分が幼い頃に読んだ保護者も多いのでは? 親子でいっしょにモモちゃんたちの成長を応援しながら読んでみてください」(中藤さん)
長く読めるシリーズものは、時間があるときにぴったり。読んだ本はいつか自分の経験の糧になるかもしれません。ぜひ楽しんで、読書をしてみてください。
本を教えてくれたのは…
こどもの本屋 てんしん書房
東京都文京区小石川5-20-7 1F
営業日 月曜定休+不定休
営業時間 10時〜暗くなるまで
取材・文/酒井明子
【こちらの記事もおすすめ】
【休校対策】自宅待機を支援してくれる無料サービス探してみました!