人気恋愛小説を佐藤健、長澤まさみ、森七菜の共演で実写化した映画『四月になれば彼女は』。3月22日(金)より公開です。ウユニ、プラハ、アイスランド、東京の美しい風景を背景に、10年間の出会いと別れを描いたラブストーリーの見どころを、ネタバレなしでご紹介します。
『四月になれば彼女は』あらすじ
四月。精神科医の藤代俊(佐藤健)のもとに、かつての恋人・伊予田春(森七菜)から手紙が届く。「あのときのわたしには、自分よりも大切なひとがいた。それが、永遠に続くものだと信じていた」
“天空の鏡”と呼ばれるウユニ塩湖からの手紙には、十年前の初恋の記憶が書かれていた。ウユニ、プラハ、アイスランド。その後も世界各地から届く、春の手紙。
時を同じくして藤代は、婚約者の坂本弥生(長澤まさみ)と結婚の準備を進めていた。けれども弥生は突然、姿を消した。「愛を終わらせない方法、それはなんでしょう?」という謎かけだけを残して――。
春はなぜ手紙を書いてきたのか? 弥生はどこへ消えたのか? ふたつの謎は、やがてつながっていく。現在と過去、日本と海外が交錯しながら、愛する人をさがし求める“四月”が始まる。
【見どころ①】過去と現在を結ぶ10年間のラブストーリー
精神科医の藤代俊(佐藤健)を中心に、2人の女性との恋愛模様が描かれています。獣医の弥生(長澤まさみ)と婚約している現代パートと、学生時代の恋人・春(森七菜)と過ごした日々を振り返る過去パート。その二つを結ぶのが、現代の藤代の元へ届く、春からの手紙です。
しかし春から手紙が届くようになった頃、弥生は突然失踪。残された藤代は、弥生がなぜどこへ行ってしまったのか、そして今さら春から過去を振り返るような手紙がなぜ届くようになったのか。二つの謎を解くうちに、自分の本心に気づいていきます。
【見どころ②】映像の美しさに魅了される
春から届く手紙には写真が添えられていて、ウユニ、プラハ、アイスランドの美しい風景が切り取られています。実際に春役を演じた森七菜さんは21日間で、トランジットも含めると10ヶ国を回るという過酷な海外ロケをこなし、キャスト一人で寂しくて途中で帰りたくなり涙したほどだったと完成披露試写会で語っていました。こういったロケが行われるのもコロナが明けたからだとしみじみ感じます。
監督を務めた山田智和さんは今作が長編映画デビューの36歳。サカナクション、米津玄師、あいみょん、藤井風などのミュージックビデオや広告映像、短編フィルムなどを数多く手がけてきた経歴があり、一瞬の美しい映像を捕える力を感じました。ヒットメーカーの川村元気さん原作、佐藤健さん、長澤まさみさん共演のラブストーリーという王道の要素がありながら、既視感を抱かせず、ありきたりではない画づくりが秀逸でした。
【見どころ③】演技巧者が集まったキャスト陣
藤代俊(佐藤健)
坂本弥生(長澤まさみ)
伊予田春(森七菜)
結婚を前にした恋人同士を演じた佐藤健さんと長澤まさみさんは意外にも初共演。佐藤健さんは、過去の思い出と現在を行き来しながら戸惑い、でも少しずつ前へ進む主人公を繊細に演じています。長澤まさみさんは、愛に対して臆病で傷つきやすく、時に大胆な行動に出る婚約者の弥生役がぴったり。森七菜さんは自然な佇まいや表情に注目です。
共演者も皆さん演技巧者ばかり。主人公の藤代が自分の思いを吐露できる行きつけのバーの店長を演じるのは、2026年の大河ドラマ主演が発表された仲野太賀さんです。話題のドラマ「不適切にもほどがある!」(TBS)のキャストも2人出演。昭和の不良娘・純子役で話題の河合優実さんは弥生の妹役ですし、同じく昭和の教師役として毎回のように出演している中島歩は、藤代と春の学生時代のサークル仲間として登場します。
そして藤代の同僚役のともさかりえさん、春の父親役の竹野内豊さんの演技は、出演シーンは短いながら作品にさらに深みを持たせています。
恋愛に夢中な人も、かつて夢中だった人も。美しい風景と共に恋の痛みや楽しみを感じられる作品になっていますので、ぜひ劇場でご覧ください。
取材・文/富田夏子
作品情報
『四月になれば彼女は』
3月22日(金)全国東宝系にて公開
原作 :川村元気「四月なれば彼女は」(文春文庫) ※発行部数:45万部
- 監督 :山田智和
- 脚本 :木戸雄一郎 山田智和 川村元気
- 撮影 :今村圭佑
- 音楽 :小林武史
- 出演 :佐藤健 長澤まさみ 森七菜
仲野太賀 中島歩 河合優実 ともさかりえ
竹野内豊
©2024「四月になれば彼女は」製作委員会