横に突っ張って収納を生み出す突っ張り棒は、日本の住宅になくてはならないアイテム。これを、“縦に突っ張る”ことで革命を起こしたのが「ドローアライン」です。「平安伸銅工業」の竹内香予代子社長のご自宅で、「ドローアライン」が生まれた背景を聞きました。
突っ張り棒の生みの親、の孫が開発
「突っ張り棒はそもそも、私の祖父が海外でカーテンポールを見たときにひらめいたもの。日本に持ち帰り、発想の転換をして商品化したのが“突っ張り棒”です。日本の暮らしを支える裏方として爆発的にヒットしました。そして、私の代になってから生まれたのがドローアライン。クリエイティブユニット『TENT』とのコラボ商品は、“縦にも突っ張れる”こと、また突っ張り棒を「1本の線」として再定義し、そこから自由な空間を生みだしたことで注目を集めました。マットアイアン素材の高いインテリア性と、自分の好きなパーツで空間をカスタマイズできるのが最大の特徴です。専用パーツは全部で18種類(コラボ商品を入れると21種類)。ドローアライン本体(Tension Rod C¥5,500)にテーブルパーツ(Table A¥4,500)、トレイパーツ(Tray¥5,500)、フックパーツ(Hook A¥1,500)などの好みのパーツを取り付け、自分好みの空間を作りだせるんです」
竹内社長の自宅には縦横無尽のドローアラインが
そんな竹内さんの大阪のご自宅に、取材班が潜入。一級建築士である夫と2人でリノベーションしたというマンションは、本人いわく“製品の実験の場”で、10本にも及ぶドローアラインが縦横無尽に張りめぐらされていました。上の写真は、リビングの窓際に設置したドローアライン。「いちばん日当たりのいい場所に設置したら、元気すぎるほどに植物が育ってくれています(笑)。トレイパーツやテーブルパーツを取り付けて、好きな高さにグリーンを置くことができるんですよ」(竹内さん)
狭いベッドルームや洗面所にも収納スペースを創出
狭い寝室はベッドだけでいっぱい! 「ほかに家具を置けなくても、ドローアラインでライト、時計掛け、スマホやめがねを置くスペースを作りだしました。フックパーツに時計を引っ掛け、テーブルパーツにはスマホの充電器を。トレイパーツは眠る直前まで手元にある、めがねや本の定位置に」(竹内さん)
洗面収納の乏しい古いマンションでも、ドローアラインがあればすっきり解決。「倒れやすい化粧品類は、フチがあって安心なトレイパーツにまとめて収納。ロングフックパーツ(¥2,000)にS字フックを付けてアクセサリーを引っ掛け、いちばん下にはシューズラックパーツ(¥2,000)を付けてティッシュ置き場を作りました」(竹内さん)
どんな狭い場所にも、床と天井に突っ張るだけで収納やディスプレースペースを生み出せるドローアライン。狭いソファまわりに圧迫感なく照明やテーブルを設置できるのも魅力的です。インテリア好きの取材陣が全員一致で「ほしい!」と叫んだ、Martの激推しアイテムです。
問い合わせ先/平安伸銅工業
https://www.heianshindo.co.jp/draw_a_line/
撮影/久保嘉範(竹内さんご自宅)、小林愛香 構成/永林あや子(Mart編集部)