東京都江戸川区南葛西・なぎさ公園の小高い丘の上にある「魔法の文学館」。「魔女の宅急便」の作者であり、児童文学作家の角野栄子さんが館長を務めている話題のスポットです。建物は建築家の隈研吾さんが手掛け、一際目を引く白い外観が印象的です。ワクワクする場所と話題になっているこちらに、小学生の息子と2人で行ってきました。親子で楽しめることがたくさんあり、ずっといたいと思うほどの素敵な場所についてリポートします。
本の楽しさを改めて感じることができる場所
もともと角野さんの作品は大好きだったので、どのようなことが楽しめるのかとても興味がありました。これから行く方に、ぜひチェックして欲しい見どころを5つ紹介します。
【見どころ1】 館内は角野さんのテーマカラー・いちご色
まず目の前に広がるのが、「いちご色」の世界! ここ「コリコの町」は魔女の宅急便が舞台です。13歳になったキキが「ひとり立ち」をするためにはじめてきた町が再現されており、一歩足を踏み入れると、子どもも大人も一面ピンク色の、ワクワクする空間が広がります。このピンク色は「いちご色」と呼ばれています。
時計台がある中央の壁には、時間帯によってキャラクターが変わるプロジェクトマッピングが投影されます。 さらに進んでいくと、小窓がありました。
中を覗いてみると動く絵本やパンケーキに囲まれたアッチ(作品名「アッチ・コッチ・ソッチの小さなおばけシリーズ」に出てくるキャラクター)など、子どもたちが夢中になるような視覚トリックがたくさん隠されていました。みなさんも見つけてみてくださいね♪
【見どころ2】 絵本の中のキャラクターと会話ができる!
「黒猫シアター」は、壁・床の4面に広がる映像シアターで、目の前に角野さんワールドが広がります。なんと、キャラクターが話しかけてくれるのです。まるで会話をしているかのような感覚になれます。
私たちが行った時は、小学生世代の親子に人気の「おばけのアッチ」が登場し、みんな大はしゃぎしていました。まるで本当に、絵本の中に入り込んだような体験ができました。
【見どころ3】心惹かれる一冊が見つかる図書ライブラリー
1階の本棚、2階のライブラリーには、なんと約1万冊以上の本がずらりと並んでいます。角野さんの代表作品をはじめ、角野さんが選んだ児童書や絵本・図鑑などです。
かわいい読書スペースで発見。ウサギの耳が背もたれになっている椅子は大人気! みなさんも、お気に入りのスペースを探してみてくださいね。
私たち親子が気に入ったのは屋外での読書。天気がよく過ごしやすい日にはテラスや芝生の上で、贅沢な時間を過ごせますよ。屋外へ本を持ち出す場合は館内で受付をすれば、1回2冊まで借りられ、透明バッグと外で使えるピンクのシートがついてきます。隣接する公園には様々なお花が咲いているので、お花見をしながら読書も気持ちがよさそうですよね。
【見どころ4】物語が生まれる神聖な場所、角野さんの愛用品も展示
館内2階の「栄子さんのアトリエ」には、実際に角野さんが使っていた小物や洋服などが展示されています。棚には、角野さんの愛読書や旅先で集めた美しい小物が並んでいます。
直筆の原稿やスケッチもありました。これはファンにはたまらないですね! 私たちもじっくり見入ってしまいました。
【見どころ5】カフェではオリジナルメニューが楽しめる!
たくさん見て回って楽しんだら、お腹が空いてきます。そんな時にはぜひ、こちらを。館内3階にある「カフェ・キキ」は旧江戸川を眺めながらくつろげる常設カフェ。ここでしか味わえないメニュー、パン単品の販売もあり、テラス席もあります。
私たちが注文したのはこちら!思わず「わ~」と感動の声が出てしまうほど、改めて絵本の世界に入り込んだ感覚になるくらい、かわいいビジュアル。もちろんお味のほうもバッチリ、完食しました。
(左から)「ちいさなおばけシリーズ」にでてくるネズミの「チとキのサンドイッチ」¥1,200、 おばけのアッチに出てくる「オムライス山」をイメージした「キキのオムライス」¥1,320、アイスの上にハートのケーキがのった「ハートをあなたに」¥700(すべて税込価格)
親子時間にぜひおすすめしたい場所
館内はどこを見渡しても、目に鮮やかな「いちご色」が広がり、思わず写真を撮りたくなる映えスポットです! 隣接する公園には桜があり、屋内外でピンク色の世界を楽しめそうです。子どもと一緒に、自分も小さな頃に読んだ絵本を一緒に読み返す。家ではなかなかできない、心温まる時間をを過ごすことができました。
ぜひ皆さんも、魔法の文学館で特別な時間を楽しんでみてくださいね。
「魔法の文学館」(江戸川区角野栄子児童文学館)
東京都江戸川区南葛西7-3-1 なぎさ公園内
9:30~17:30(最終入館 16:30)
休館日は火曜日、年末年始
入館予約は公式WEBページ。事前予約なしでも入館できる場合があるので、当日受付状況で確認を。
構成/新里陽子 取材/北川明子