日本には様々な年中行事がありますよね。日々、忙しくしていると何もせずに過ぎてしまうなんていうこともあるかもしれません。節分や七夕、十五夜など古くから伝わる年中行事をきちんと理解して、子どもたちに伝えていけたらと思っている人も多いのでは。そんな人にぴったりの中川政七商店の「季節のしつらい便」をご紹介します。
日本の年中行事では、お供え物や家の飾り付けによって、家族の健康や幸せを祈願してきた風習が数々ありますが、時代の流れとともに、だんだん目にすることもなくなり、何もせずに過ごしてしまうことが増えてきています。幼稚園や学校の授業などで触れることもありますが、それも少なくなっているようです。
布のクリスマスツリーに飾り付けをします。
日本の素材・技術・風習をいかしたものづくりを続ける中川政七商店では、暮らしの中で楽しみながら年中行事が学べるようにと、親子向けの体験キットを開発しました。このような試みは初めてのことだそうです。キットには、「つくる」「飾る」「学ぶ」の3ステップが体験できる素材が入っていて、子どもが自分でつくり、和紙や水引などの日本の工芸をいかした飾り付けを体験し、同梱の冊子を通してその由来や意味を学ぶことで、記憶や体験として日本の風習を残していくという新しい試みとなっています。
第2弾の「季節のしつらい便 クリスマス」
飾り付けなど、親が一から用意するのは結構大変ですよね。つくり方もよくわからないこともあったり、実は意味や由来などもきちんとわかっていないこともあるので、専用のキットがあるのは私たち親にとっても取り掛かりやすく、学べることもあります。
第一弾の「季節のしつらい便 お月見」は自分で団子をつくって飾るというものでした。
こちらのキット、第一弾の「季節のしつらい便 お月見」(¥3,500)はすぐに売り切れになってしまうほど人気だったそう。現在は第2弾の「季節のしつらい便 クリスマス」(¥5,000)と第3弾「季節のしつらい便 お正月」(¥3,500)を販売中。
「季節のしつらい便 クリスマス」では、大きなモミの木が描かれたタペストリーに付属のオーナメントや、手づくりのオーナメントを飾るというもの。クリスマスツリーを置く場所がなくても壁に飾るタイプなので省スペースでOK。倒す心配もないので、子ども部屋にもぴったりですね。付属のオーナメント以外に、子どもが自分で考えたオーナメントをつくって飾ることで、スペシャルなツリーが完成するはず。今年はおうちクリスマスが主流になるので、“手づくり”のツリーと一緒に家族で過ごすのもいいですね。
「季節のしつらい便 お正月」
見本は赤べこをモチーフにした赤い丑でした。
「季節のしつらい便 お正月」は、2021年の干支にちなんで、張子の丑を作成します。赤べこ発祥の地・福島県の会津でつくられた無地の張子に絵付けをして、オリジナル干支飾りがつくれるというもの。こちらは実際に読者のお宅で体験してもらいました。体験してくれたのは、高橋千景ちゃん。張子の丑を見るのも初めてでした。
まずは自分でデザインを決めます。公式サイトからダウンロードできる色塗り練習用の用紙に描き込んで模様や色を決めていきます。「見本の赤い丑の張子が気に入ったようで、色は赤にしました。
模様はいろいろ考えていましたが、かわいくハートにすることに」と千景ちゃんのママ、高橋真実子さん。
デザインが決まったら無地の丑の張子に色を付けていきます。塗り絵は好きですが、学校の図工の時間でも、立体的なものに色付けする機会がないので、塗る順番や手が汚れないようにしたり(結局、汚れてしまいますが)、試行錯誤しながら色付け。「早く模様が描きたいようでしたが、完全に赤い色が乾かないと模様がにじんでしまうので、ちゃんと乾くまで待つという、ちょっと長期的(?)な制作体験も新鮮でした」と高橋さん。
「かわいい丑ができて楽しかった。お部屋に飾ります」と千景ちゃんも大満足だったそう。
お問い合わせ:
中川政七商店 渋谷店 03-6712-6148 https://nakagawa-masashichi.jp/
子どもとじっくり向き合って、一緒に“作品”をつくるのは、親にとっても新鮮な体験のようでした。年中行事に合わせて発売になるキットですが、今後は節分、桃の節句、端午の節句を発売予定だそうです。日本古来の年中行事を手づくりキットで楽しんでみてはいかがですか。
取材・文/岡部礼子