長引くコロナ禍は、人々の健康意識を変えたといっても過言ではありません。低カロリーだけでなくタンパク質を摂るべき、とか、発酵食品で免疫力アップ、とか…。「減塩」もその一つ。自宅で食事を摂る機会が増えたことで、より気にする人が増えているようで、減塩商品の市場は伸びているのだとか。
「減塩」はまだまだ甘い!? ついに登場した「塩なし」食品
しかしこのたび登場したのは、「減塩」を飛び越えた「食塩不使用」の商品、しかも一般的には塩分が多そうなイメージのある「レトルトカレー」。その実力やいかに!?と、編集長・小松がさっそく試食してみました。
(左)ヤマモリ 休塩日のカレー バターチキン 160g ¥378
(右)ヤマモリ 休塩日のカレー キーマ 155g ¥378
まず目をひくのが、「休塩日」という見慣れないワードですが、「『休塩日』というのは、私たちが提案する、‘塩’に頼らず素材本来の旨みを感じ取り、自分の味覚と向き合うていねいな食事を各々のペースで取り入れる新たな食習慣です。健康に気遣っているつもりでも、つい味の濃い食事に手が伸びてしまう現代人が味覚をリセットする日として、お酒を控えて肝臓をいたわる『休肝日』になぞらえ名付けました」(ヤマモリ広報部・神門さん)
なるほど、ファスティングしてデトックス、という感覚に近いのかも…。
念のためパッケージ裏面をチェック。どこにも食塩の文字はありません。
バターチキンカレーの裏面。
キーマカレーの裏面。
気になるお味は“新感覚”。カリスマシェフの監修なんです
でも、塩を使っていないカレー……味に一抹の不安がよぎります。その不安を振り払いながら、まず「バターチキン」を試食。
まず一口……????? 食べたことのない味です。塩味がないからといって味がしないわけではなく、むしろ塩味だけを引き算すると、こういう味になるのか…と、妙に感心。
二口、三口と食べ進めていくと、だんだん素材の味に気づくような感覚に。
じつはこの商品、フランスからシェフとして初、かつ最年少で「芸術文化勲章」を受け、現在はフランスでレストラン「keisuke matsushima」のオーナーシェフを務める松嶋啓介さんが監修したもの。松島さんは著書「最強『塩なし』料理理論」においても、調味料に頼らず、素材のうまみを生かすことの大切さを提唱しています。
確かに、塩がないことで、必然的に素材それぞれの味に耳……もとい、舌を傾けることになります。トマトの酸味や、鶏肉のコクなど…。
続いてキーマも試食。
こちらはバターチキンよりも辛く、それゆえ、よりカレーらしいといえるかも。煮込んだ野菜のうま味と、スパイシーさの調和がとれています。また、アクセントになっているのが具材のひとつ、大豆ミートの歯ごたえ。ここにも話題の食材を取り入れるあたり、意識の高さをひしひしと感じます。
はからずも、「塩味」の大切さにも気づいたのでした
素材の味を楽しむ、ということに気づいたいっぽう、もうひとつの気づきがありました。それは、月並みですが「塩味って大切」ということ。普段は「塩味」と「他の味」を切り離して考えることはありませんよね。そうすると、塩味が果たす本当の役割にも気づきにくくなっているのかもしれません。摂り過ぎは論外ですが、やはりかつては金とも交換されたほど人類にとって貴重なものなのだ、ということに気づかされました。
最後にふと疑問が。じゃあ残りの2食はどうするの?
「休塩日」に納得しつつも、ふと疑問が。「1食はこれでも、じゃあ残りの2食はどうすればいいんだろう?」とメーカーさんに聞いてみたところ、「もちろん3食を塩なしで過ごせればいいのですが、まずはひとつのきっかけにしていただければいいのでは、と考えております。まずは1食をこれに変えることで、現代人が過剰摂取している分の塩分をちょうど減らすことができますので、ぜひ多くの方にお試しいただきたいと思います」(同上)。
なるほど、厚生労働省の調査によると、一日当たりの食塩摂取量は、推奨値に対して男性は2.6g、女性は2.8gオーバーしているそう。一般的なレトルトカレーの食塩相当量はまさにそれぐらいなので、まずは1食置き換えという考え方もアリかもしれません。コロナ禍の新しい食習慣として、ぜひトライしてみてほしい一品です。
【こちらで購入できます!】
【 公式 】 ヤマモリ 休塩日のカレーバターチキン(1個)
【 公式 】 ヤマモリ 休塩日のカレーキーマ(1個)
撮影・文/小松伸司