お肉は冷凍すると味が落ちてしまうと思われていましたが、冷凍すると普通に調理するよりも肉のコクがアップすりという調査がこの度明らかになりました。冷凍したほうがおいしくなるなんて、忙しいミセスには嬉しいですよね。そこで、下味冷凍の第一人者・料理家の上島亜紀さんに、この冬オススメの一押し肉の下味冷凍レシピを教えていただきました。
味覚のプロが調べた結果は豚肉は冷凍後味の深みが22%もアップ
この調査は、旭化成ホームプロダクツ が九州大学の都甲潔教授の監修のもと実施した、冷凍した肉や魚の味覚センサーを用いた味覚検証。食材を①通常調理(冷凍しない)②解凍調理(下味をつけずに冷凍後解凍)③下味冷凍後に調理 で調査したところ、①と③の場合「豚肉は味の深みが22%アップ、味の厚みが25%アップ」という結果となりました。鶏肉も鶏むね肉(深みが14%、厚みが10%)、鶏もも肉(深みが10%、厚みが16%)と、味の深み、厚みがともにアップする結果に!
冷凍したほうがおいしくなるなんて!
そこで、肉とこの時期オススメの野菜をあわせた下味冷凍を、数々の下味冷凍に詳しい料理家の上島亜紀さんに教えていただきました。
忙しい方こそおすすめ!「塩麴×鶏肉×野菜」の下味冷凍
「昨今、忙しく料理にかけられる時間がない中、肉に下味を漬け込む時間をつくるというのはなかなか難しいですよね。下味冷凍は冷凍することで肉の繊維を壊し、そこに下味が染み込みます。これからの季節美味しい長ねぎの香味ときのこと鶏の旨味が加わり、塩麹のみのシンプルな下味が、とても奥深い味わいに仕上がります。」(上島さん)
「鶏肉ときのこの塩麹冷凍」
【材料(つくりやすい分量)】
- 鶏もも肉………1枚(300g)
- きのこ(しめじ、しいたけ)………2パック(200g)
- 長ネギ………1本
- 塩麹 ………大さじ3
- しょうがすりおろし………小さじ1
【つくり方】
- 鶏もも肉はペーパータオルで水分をしっかり押さえ、包丁で切れ目を入れながら肉の厚みそろえ、余分な脂を取り除き6等分に切る。
- しいたけは石づきを落とし、縦に十字に4等分、しめじは石づきを落とし大き目にほぐす。長ネギは斜め薄切りにする。
- ジップロックに塩麹、しょうが、鶏肉を加えてよく揉みこみ、きのこ、長ネギを加え軽く揉みこみ、平らにし、バットにのせて冷凍する。
ジップロックに材料を入れたらよく揉み込みます。
完全に凍ったらバットから外しましょう。
2パターンの料理が楽しめる優秀な下味冷凍。リピート決定です!
上島さんが教えてくれた「鶏肉ときのこの塩麹冷凍」のすごいところは、この1袋が絶品おかずに変身するのはもちろんのこと、なんと「鍋料理」にも変身しちゃうのです。
【1】炒め物として調理
フライパンにごま油大さじ1を熱し、冷凍のまま「鶏肉ときのこの塩麴」を入れる。蓋をして中火で7~8分加熱し、蓋を外して強めの中火で水分を飛ばすように煮詰める。
最後は水分を飛ばし仕上げます。
【2】鍋料理にする
【追加する具】
- 鶏ときのこの塩麴………1パック
- 白菜………1/8株
- 豆腐………1/2丁
- 削り節………1パック(3g)
【つくりかた】
- 白菜は3センチ幅にざく切り、豆腐は4等分に切る。
- 鍋に1、削り節、水600ml、下味冷凍「鶏ときのこの塩麹」を袋から取り出しそのまま入れ、蓋をして強めの中火で加熱し、沸騰したら弱めの中火で10分煮込む。
- ポン酢を添えていただく。
下味冷凍しておけばこんな手の込んだ鍋もあっという間にできてしまうなんて!「もともとがシンプルなので、バターやトマト缶を加えて洋風、オイスターソースを足して中華風などアレンジも広がりますよ」(上島さん)。私も早速つくってみたいと思います。
撮影/上島亜紀 取材・文/新里陽子