9月になっても残暑が厳しい日々。紫外線ダメージを受け、さらに冷房で乾燥した肌はかなりお疲れ気味。夏から秋に移行するこの時期は、とくに念入りなケアが必要です。そんなときに頼りになるのが、今世界中から注目されている美容成分「レチノール」。ここではレチノール配合コスメをご紹介するとともに、その特徴やメリットデメリットなど、レチノールの基本をレクチャーします!
レチノールコスメの開発者に教えてもらいました
メディアなどでもよく耳にするレチノールですが、「実際どういいの?」という声も多数。敏感肌には使えないなど、ネガティブな話もよく聞きます。そんなレチノールの基本のきを、レチノール配合のスキンケアシリーズを開発した田上里輪さんに詳しく教えてもらいました。
そもそもレチノールとは?
「レチノールはビタミンAの一種。細胞の分化や増殖に関わっており、使い続けるほどに肌の生まれ変わりをサポートし、キメを整え、ハリのある若々しい肌に整えることができます。」(田上さん)
なるほど!肌のターンオーバーを促してくれるのですね。それにしても若々しい肌とは、ワクワクします!
「ただしレチノールは非常に不安定で、熱や光、酸素に対して非常に弱く、化粧品においてそのまま配合することは難しいとされています。さらにデメリットとしてレチノイド反応(A反応)があります。ターンオーバーが急激に促進されることにより、肌の乾燥や赤み、かゆみなどがでることがあります」(田上さん)
若返りの反面、肌トラブルを起こしてしまうこともあるのですね。肌が敏感に傾いているときは避けた方が良さそうですね。
「ビーガンレチノール」と呼ばれるバクチオールとの違いは?
「ターンオーバーを促進する働きがあるレチノールは、ピーリングのように皮むけが発生する事があります。肌が弱い方には積極的におすすめできませんが、効果が緩和なレチノール誘導体の商品を使うと良いかもしれません。また濃度記載のあるものは低濃度のものから使用する事がおすすめです」(田上さん)
レチノールコスメにも濃度が色々あるのですね。濃度の低いものや低刺激とされているものもたくさんありそうなので、敏感肌さんはそのあたりをチェックすると良さそうですね。また最近気になる成分として、バクチオールというのもありますが、これはレチノールとどう違うのでしょうか?
「バクチオールは植物由来の成分で、レチノールと機能が類似しています。皮むけなどの症状を発生させずに、レチノールと同様の効果があると言われています。レチノールよりも安定性が高い為、日中も使用する事ができ、製品に配合する際にも扱いやすい成分であると言えます。ただ、まだその機能についての研究が十分だとは言えないですし、やはり植物由来の成分ですので効果については緩和であると思います。穏やかにケアをしたい人には良いのかもしれません」(田上さん)
安定して肌にやさしく届けるレチノールコスメ3選
ターンオーバーを促して、ハリとツヤのある美肌が叶う夢の成分レチノール。ここからはぜひ試して欲しいレチノールコスメを厳選し、開発者や広報担当者のコメントとともにお届けします! レチノールの種類や濃度も異なるので、肌状態に合わせて使い分けてみてください。
高い効果実感とコスパを実現!「グラマティカル」のレチノールシリーズ
イオンのPB「グラマティカル」より満を持してデビューしたのがこちら。0.01%のレチノールを配合した拭き取りローションと、レチノール濃度が0.03%と0.1%の部分用クリーム。高い保湿力をもつ美容成分「リピジュア®」で包むことにより、不安定なレチノールを安定して配合することに成功。
ふき取り用のローションには浸透サポート成分が配合されているため、次に使用するスキンケアの浸透を促す効果も。クリームはやさしさ重視の0.03%と実感重視の0.1%。スキンケアの一番最後に、ピンポイントで使うことで気になる部分にダイレクトに届き、ハリ・弾力を与えます。初めて使うときは低濃度から試してみましょう。
「美容医療でも使われるレチノールは非常に高いスキンケア効果が期待でき、美容意識の高い方に人気の成分。気軽に使えて、効果を実感できるスキンケアを手に取りやすい価格で提供することで、敷居の高いレチノールが気軽に使えるようになれればいいなと思い、開発しました」(商品開発マネージャー 田上里輪さん)
問い合わせ先:イオントップバリュ https://www.topvalu.net/glamatical
「キールズ」は2種類のレチノール美容液を使い分け
2021年9月のデビュー後、すでにブランドを代表する存在となるほど大人気のレチノール美容液。今回新たに、3カ月間の夜用集中ケア美容液が誕生しました。既存のレチノール美容液はレチノールのほかエイジングサインに働きかける美容成分ナイアシンアミドやペプチドなどが含まれ、さらに肌を守る成分も配合。言わば「攻め」と「守り」を両立した美容液です。
一方新発売のナイトコンセントレートは、高濃度*配合のレチノールを一気に肌に届ける、「攻め」に特化した美容液。レチノール初心者さんや攻めと守りのバランスがとれたケアをしたい人はレチノール美容液で、肌が安定しているときや冬など紫外線が少ない季節はナイトコンセントレートでスペシャルケアをするなど、使い分けがおすすめ!
「繊細な成分であるレチノールの鮮度を最後まで保つ為には容器がとても重要!レチノール美容液は、酸素の侵入を許さない真空のエアレス容器を使用し、さらに遮光することで紫外線による成分の影響も徹底的にブロック。ナイトコンセントレートはレチノールをマイクロカプセル化し、フリーズドライでパウダー状に。鮮度を使う瞬間までキープします。光や酸素の侵入を防ぐ特殊なアルミパウチを採用しています」(広報担当)
エイジングサインを全方位ケア!「ボーダーフリーコスメティクス」のマルチフェイシャルクリーム
2種類のレチノールをバランス良く高配合し、さらに高い保湿力をもつプロテオグリカン、ハリ肌へ導くペプチドやヒアルロン酸など美容成分を贅沢に配合。気になるエイジングサインにトータルで働きかけます。
配合しているレチノールは2種類。1つ目は抗酸化成分ビタミンE誘導体と結合させた「レチノイン酸トコフェリル」。保湿力があり、ハリと弾力を高める効果も期待できます。2つ目は日本初配合の「ヒマワリ種子脂肪酸レチノール」。シワ改善効果があると言われ、レチノールながらも低刺激!さらに水の使用量を大幅に減らすことができ、環境にもやさしいレチノールです。
「私自身過去になかなか治らない肌荒れに悩んだ経験があり、鏡で自分の顔を見るのも嫌になった時期がありました。その経験を通して、情報に溢れている現代で正解を見つけることの難しさ、そして見つけたとしても手に出しづらい価格のものが多いということを痛感。知りたいことが簡単に、手に取りやすい環境をつくりたいという思いでこの商品をつくりました」(ブランド責任者 錦織さん)
問い合わせ先:買えるAbemaTV社:03-6778-5501 https://borderfree-official.com
敏感なときは避けるなど、やや使い方に注意をする必要があるレチノールですが、使い続けることでエイジングに立ち向かうことができる素晴らしい成分。まずは濃度の低いものや低刺激なものから始めるなど、自分の肌と相談しながら、いつものスキンケアに投入してみませんか?
取材・文/森本奈穂子