50歳前後で迎える更年期では、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が一気に低下。イライラや落ち込み、のぼせなど、様々な不調が気になり始めます。そんなエストロゲンに似た働きをするという、注目成分「エクオール」をご存知ですか? 大豆を食べたときに腸内細菌によってつくられる成分なのですが、エクオールをつくれる量には個人差があるようです。エクオールがどれくらいつくれているか、Mart編集部スタッフ3名で検査してみました!
そもそもエクオールとは?
エクオールとは、大豆イソフラボンを摂ることで体内の腸内細菌によってつくられる成分。女性ホルモンのエストロゲンに構造が似ているため、女性ホルモンに似た働きをしてくれます。十分な量のエクオールがあると、肌の不調や更年期症状の改善、骨密度の低下を抑えるなど様々な効果が期待できます。
ただし日本人でエクオールをつくれる人はおよそ2人に1人、さらには十分な量を作れている人は4人に1人と言われています。せっかく納豆や豆乳をたくさん摂っても、エクオールをほとんどつくれていない人が多数いることも分かっています。まずは自分がエクオールをちゃんとつくれてるのか?どれくらいつくれているのか?を知ることが、健やかに過ごすための第一歩に。
検査は簡単! 自宅で採尿して専用封筒で送るだけ
そこで編集部の女性スタッフ3名で同時に検査することに。検査キットの中身はこちら。検査についてのしおりや検査の手順、採尿キット、返送用封筒が入っていました。採尿はとても簡単。大豆食品を食べることでエクオールがつくられるので、採尿の前日には豆腐や納豆などを積極的に食べるとより正確な結果に繋がります。
問い合わせ先:ヘルスケアシステムズ 050-3640-3595
スタッフ3人のうち2人はレベル3という結果に!
マイページに登録すると、約1週間で結果を見ることができます。エクオールをつくれる量は5段階のレベルに分かれ、レベル3以上が「エクオールをつくれている人」に。とはいえレベル3では理想的な量とは言えません。レベル3とはどんな値なのか、検査キット「ソイチェック」の担当者、細谷吉勝さんに詳しく教えてもらいました。
「レべル3はエクオールはつくれているけれど、量的に多くないため更年期症状を和らげるなどの効果は感じにくい状態。大豆を摂ることでエクオールをつくることができる人なので、意識的に大豆を摂りましょう。大豆食品を積極的に摂ることでエクオール量が増え、レベル4にあがる可能性も大。足りない分をサプリメントで補うのもおすすめです」
もう1人はレベル2。残念ながら「つくれていない」という値に。
3人のうち1人はレベル2で、「エクオールをつくれていない人」という結果。「レベル2は、数値としては僅かながらでているけれど、エクオールがつくれているとは判定しづらい量です」と細谷さん。
「『ソイチェック』はエクオールをつくることができる腸内細菌(エクオール産生菌)の量を見ているわけではなく、尿に排出されたエクオール量を測定しています。これまで頻繁に大豆を食べてきた人でこの結果ならそもそもエクオール産生菌はいない可能性がありますが、僅かでもエクオール値がでているレベル2の人は、エクオール産生菌はいるけれど活動できていないのかもしれません。ですのでまずは生活習慣を見直し、大豆を積極的に摂ることから始めてみてください」(細谷さん)
自分の体を知るためにも定期的な検査を
大豆摂取量や生活習慣によってレベルは変わる可能性があるため、エクオール産生菌がいるかいないかは定期的にチェックすることがおすすめ。
「大事なのはエクオールがつくれるかどうかではなく、自分の身体を知る事。例えばエクオールがつくれない人は骨粗しょう症リスクが高まる傾向があるので、積極的にカルシウムを摂ったり運動したりと対策ができるように。自分の体を知る事で意識が高まり、適切なケアができるようになることがとても大切です」(細谷さん)
腸内環境は悪くなるのは早いけれど、良くなるのはとても時間がかかります。腸内環境を整えるという意味でも、普段から大豆をとる習慣をつけましょう。大豆摂取は量ではなく頻度が重要。一日のうち2食に、何かしらの大豆食品が含まれていることが理想です。大豆イソフラボンの量は商品パッケージに記載されていることも多いので、購入するときにチェックしてみてください。
エクオールを直接摂れるサプリメントもおすすめ
エクオール産生菌がない人や、大豆を摂る頻度が少ない人などはサプリメントに頼るのも手。忙しくても手軽にエクオールを補うことができます。大豆を乳酸菌で発酵させてつくった「エクエル」の成分は、原料の大豆胚芽成分とほぼ同じ。合成や抽出、濃縮は一切せずにつくられた安全なサプリメントです。一日の目安量4粒で10mgものエクオールが摂取できるところも魅力。
問い合わせ先:大塚製薬 お客様相談室(エクエル)0120-008018
「エクオールを補うサプリメントは色々な種類がありますが、エクオールの容量は4mgや6mgなど様々。選ぶときは容量をチェックしてみてください」(細谷さん)
人生100年時代。エストロゲンは閉経後にグンと減ってしまうので、女性は人生の後半をずっとエストロゲンが極めて少ない状態で過ごすことになります。エストロゲンは脳、骨、肌、生殖器などあらゆるところに働きかけてくれる大切な女性ホルモン。大豆を摂ったりサプリメントで補うなどしてエクオールを増やし、快適な毎日を過ごしましょう。
取材・文/森本奈穂子