まだ暑い日が続くなか、熱中症が気になる機構の日が続きます。昨年に続きコロナ禍でマスクの着用や換気対策の窓開けが欠かせない毎日で、どのような注意が必要で、どのような対策をしたらいいのでしょうか? せたがや内科・神経内科クリニック院長・久手堅 司先生に教えてもらいました。
【熱中症対策1】軽い運動をして体温調節をしやすい体に
体の熱を下げるにはサラサラした汗が欠かせず、ベタベタした汗だと熱中症になりやすくなります。いい汗をかけるようにするには、夕方の涼しい時間などにウォーキングをするのがおすすめ。少し汗をかくくらいの運動をすることで、毛穴が開きやすく体温調節しやすい体に。
【熱中症対策2】1時間に1回などこまめな水分補給を意識
1日に1.5~2Lは水分をとるよう心がけて。喉が渇いていなくても、午前に500㎖のペットボトルを1本、午後に2本を目安に飲みましょう。一気に飲まず、1時間に1回などこまめに飲むのがおすすめ。またトイレの回数が減ったときは、汗で水分が失われているので、意識して水分補給を。
【熱中症対策3】体温を下げるグッズを活用
日中の気温の高い時間帯は、体のほてりをとるための冷却グッズやミニ扇風機などの便利グッズを活用するのもよいでしょう。とくに、首元を冷やすグッズは体温を下げられるだけでなく、マスク着用による顔周りのほてりをとれるので、熱中症対策に効果的です。
便利なウェアラブルファン。 風量は弱・中・強の3段階で調節可能。コロンとした形もかわいい! BRUNO ウェアラブルファンブルーグリーン ¥3,080(イデアインターナショナル)
冷触冷感素材。ポケットに付属のミニ保冷剤を入れられます。しろくまのきもち北極マフ ラー ボーダーベージュ 16×100㎝ ミニ保冷剤1個付き ¥1,100(ビッグウイング)
【熱中症対策4】寝るときは放熱しやすい服やシーツを活用
人は、体温が下がるタイミングで入眠します。質のいい睡眠をとって自律神経の働きを高め るためにも、体温を放出しやすい、通気性のいいパジャマやシーツを使いましょう。また、冷え性の人も足裏の放熱を妨げる靴下は避け、タオルケットなどで調整してください。
麻100%で吸湿性が抜群。さらりとした感触が気持ちいい。使うほど柔らかく、風合いがよくなるのも◎。麻平織フラットシーツ・S 生成 150× 260㎝ ¥4,990(無印良品 銀座)
汗を吸収してくれ、熱を放出するエアリズムのパジ ャマ。人気キャラクターのワンポイントがかわいい。ピーナッツエアリズムパイルパジャマ 半袖 ¥2,990(ユニクロ)
©2021 Peanuts Worldwide LCC
【熱中症対策5】適宜マスクの着脱やマスクの素材を替えて
人が多い密な場所では暑くても感染予防効果のあるマスクを着用する必要がありますが、熱中症の観点からはリスクもあります。ソーシャルディスタンスがとれていたら、熱がこもりにくいメッシュ素材のマスクやスポーツマスクに替えるなど、適宜調整してください。
スモーキーブルー
モーヴピンク
通気性抜群で呼吸が楽なメッシュマスク。紐はアジャスター付きでフィット感も抜群。SERAO MASK メッシュタイプ各¥547(三和)
【熱中症対策6】腸の中から自律神経を整える
脳と腸はダイレクトにつながっています。腸内環境を整えると脳の状態、つまり自律神経が整えられ、体温や発汗をうまくコントロールでき、熱中症対策につながります。毎日の食事で納豆やヨーグルトなどの発酵食品を食べて、腸内環境を整えるよう心がけましょう。
【こんな対策も!】塩ヨーグルトで熱中症になりにくい体づくりを!
乳酸菌と乳たんぱく質が熱中症になりにくい体づくりをサポート!
「腸を整えて熱中症対策をするうえでおすすめなのが、ヨーグルト。乳酸菌が腸内環境を整えるだけでなく、ヨーグルトに含まれる乳たんぱく質には汗を出しやすくし、体内の保水力を高める働きがあります。さらに、ヨーグルトに塩分をごく少量補うことで、熱中症予防に 必要な〝水分〞〝ミネラル〞〝ビタミン〞〝塩分(ナトリウム)〞〝糖分〞がとれます。 夏バテで食欲がない、忙しくて時間がない、という人も塩ヨーグルトなら手軽に飲めるので、ぜひ試してみてください」
塩ヨーグルトがおすすめな理由とは?
・乳たんぱく質をとることで保水能力がアップ
・乳たんぱく質が発汗を促す
・乳酸菌が腸内環境を整え自律神経の働きを助ける
・脱水時に必要な水分・ミネラル・ビタミン・塩分(ナトリウム)・糖分がとれる
・忙しくて時間がなくても 手軽に飲める
塩ヨーグルトは、プレーンヨーグルトを同量の水で割って塩を入れたもの。あれば、無糖の飲むヨーグルトを使うとさらに手軽につくれます。塩は、ヨーグルト300㎖に小さじ1/2が目安。好みでレモン汁を入れてもさっぱりします。
教えてくれたのは
せたがや内科・神経内科クリニック 院長
久手堅 司先生
北九州市立北九州大学法学部法律学科卒業後、東邦大学医学部医学科へ。その後、東邦大学医療センター大森病院、済生会横浜市東部病院勤務を経て、20 13年「せたがや内科・神経内科クリニック」を開院。
※掲載中の情報はMart誌面掲載時のものです
撮影/相澤琢磨(光文社写真室) 取材・文/須賀華子 編集/倉澤真由美 構成/長南真理恵
Mart2021年9月号
カラダの疑問に答えます 拡大版 熱中症を防ぐには? より