今年の夏も暑い日が続いていて、気になるのが熱中症。 コロナ禍でマスクの着用や換気対策の窓開けが欠かせません。こうしたなか、どのような注意が必要で、どのような対策をしたらいいのでしょうか?
教えてくれたのは
せたがや内科・神経内科クリニック 院長
久手堅 司先生
北九州市立北九州大学法学部法律学科卒業後、東邦大学医学部医学科へ。その後、東邦大学医療センター大森病院、済生会横浜市東部病院勤務を経て、20 13年「せたがや内科・神経内科クリニック」を開院。
どんなときに熱中症になるの?
人は汗をかいて熱を放出することで、体温を一定に保つことができます。ただし、気温が25℃以上、湿度が70~80%を超えた状況になると、汗をかきにくくなったり、汗がかけなくなったりするリスクが高まります。その結果、体内に熱がこもってしまい、顔がほてる、体がだるくなる、フラつくといった症状のある熱中症を引き起こしてしまう危険があります。
熱中症になりやすいのはこんな人
■幼児や高齢者
■熱中症になったことがある
■夏バテしやすい
■室内で過ごすことが多い
■睡眠不足なことが多い
■生活リズムが崩れている
■水分をあまりとらない
■妊娠中
幼児は体が未発達で熱中症リスクが高いので、周囲が様子を見ることが大切。また体質的に暑さに弱い人のほか、自律神経の働きが乱れている人や弱い人は体温調節がうまくできず熱中症になりやすくなります。体に負荷が高く血液循環が悪い妊娠中の人も要注意です。
コロナ禍で熱中症リスクが高まっています!
【リスク1】マスクで熱がこもりがち
マスクをすることで、口の周りが高温になりがち。 同時に熱がこもりやすくなり、結果的に体全体の温度が上がってしまうなど、温度調節もしにくくなります。また、自分の呼気を吸っていると口の中の湿度が保たれ、喉の渇きにも気づきにくくなる点も注意が必要です。
【リスク2】おうち時間が増え生活が乱れがち
体温調節に必要な〝汗をかく〞ことは自律神経がコントロールしています。コロナ禍でおうち時間が増えることで、運動不足だったり、生活時間や睡眠、食生活が乱れたりしている場合、自律神経も乱れやすくなり、うまく発汗できず体温調節ができなくなる可能性も。
【リスク3】窓開け換気で体に負担が!
窓開け換気をしながらエアコンをつけていると、部屋の温度にムラができてしまいます。これにより体温を一定に保とうとする自律神経に、高い負荷がかかってしまいます。体に風が当たらないように気をつけて扇風機を使うなど、部屋の温度差をなくす工夫をして。
※掲載中の情報はMart誌面掲載時のものです
イラスト/熊野友紀子 取材・文/須賀華子 編集/倉澤真由美 構成/長南真理恵
Mart2021年9月号
カラダの疑問に答えます 拡大版 熱中症を防ぐには? より