町工場街の一角で、ものづくりとまちづくりの連関を考える会議
池袋の西側、要町・東長崎・千川。
一部でひそかに「要長千(かなせん)」とも呼ばれるこのエリアにはクラフト文化が芽吹きつつあります。
そんなエリアに昨年オープンした11-1studio(ジュウイチノイチスタジオ 所在地:東京都板橋区南町11-1)。
木工や溶接などの工具を借りてDIYができるシェア工房と、シェアキッチンとして開放された日替わりのカフェ(1日スポットでカフェ出店者になることも可能)から成るスペースですが、ここでオープン以来続いているもう一つの取組みがあります。
それは、現役の製造業の場に近接しながらものづくりとまちづくりの連関を考える会議「レクチャーシリーズ」。
ものづくりとまちづくり。一見あまり連関しなそうなテーマですが、どのような会議なのでしょう?
すっかり日本でもお馴染みになった「DIY」という言葉。
日本だと「日曜大工」のような余暇的ニュアンスが強いですが、元々の起源は第二次世界大戦後のロンドン、戦争で破壊され廃墟となった街を自分たちの手で復興させようという国民運動でした。つまり、DIYはまちづくりでもあったのです。
よくよく考えてみると、古今問わず、魅力的な街には魅力的なものづくりがありました。職人の手によるスタッコ壁の家並みやナマコ壁の土蔵街。そこで工夫しながら自らの手で暮らしを育み住む人々。ものづくりとまちづくり。これらは本来、補完し合いながらバランスを保つ良い関係性を持っていたはずでした。
平成の時代を経て、町工場など製造業の場は等しく「事業承継問題」を抱え、多くのものづくりが日本から姿を消しています。一方の街ですが、コロナ禍を経て都心の多くの建物が空き物件になり、今後のまちづくりのビジョンは混沌としています。
この二つの連関を考えることこそが、今後の街や地域商工業に向けて必要とされているのではないかと考えます。
昨年秋からこの取り組みを始め次回で7回目。
前回・前々回はそれぞれ「ものづくり」の分野から「事業承継問題」に一石を投じる先進的な取り組みをしている2社のお話を聞き、ディスカッションすることができました。
有限会社原田左官工業所(左官業・文京区)と有限会社三幸(アクリル加工業・足立区)。
そこからは「家業ではなく技業を継なげていく」という共通のヴィジョンが見えてきました。
※このアーカイブは
https://11-1studio.wixsite.com/home/%E8%A4%87%E8%A3%BD-project-series
から閲覧できます。
その第7回目が今月末、11/30(火) 19:30-21:30開催されます。
今回は「まちづくり」の分野から。
今秋、東京・池袋と京都・浄土寺の二箇所で開催され、多くの人を惹きつけた「アーバニスト(=都市実践者)」のための祭典、for Cities Week 2021。
このキュレーションや、「アーバニスト」のためのプラットフォーム作りを行っている、女性2人による都市体験のデザインユニット、一般社団法人for Citiesのお二人が今回のゲストです。
彼女らの活動は「都市」を標榜しながらも、そこに住まう人々による工夫や自分たちの手で作る暮らしにスポットを当て、それらを縫合していく、とても興味深いものです。
これからの「都市」について楽しく語り合ってみませんか。
【開催概要】
レクチャーシリーズ#07 「触れられる都市の実践」一般社団法人for Cities
URL:https://onl.tw/7x7PybY
日時:2021年11月30日(火)19:30-21:30
19:00 開場・イントロダクション
19:30- ゲストによるレクチャー
20:00- 対談および座談・交流会
費用(ドリンク付き):一般1,700円 会員・学生1,200円
定員:10名程度
申込方法:上記URLより確認のこと